「農業」こじつけ開発 “抜け道”計画でいつでも転用

Ref:東京新聞09/03/08【要約】

優良農地を転用して、大型ショッピングセンターや工業団地などを建設してゆく−。その根拠となった法律は、農地転用に厳格とされる農振法(農業振興地域の整備に関する法律)だった。農振法の施行規則第4条の4第1項第27号に規定された「地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画」(通称・27号計画)を市町村が策定すれば、いつでも工業団地やショッピングセンター、物流倉庫ができるという。


市町村側は、

  • 工場ができれば農家が従業員になり土地が大規模農家に集約されるし、社員食堂で地元農作物が使われる。
  • ショッピングセンターができれば、店頭の産直コーナーで地元の野菜が売られる。
  • 開発を進め魅力ある町として人が定着すれば農村が活性化する。

として、積極的に27号計画を策定。「農地転用」を進めてきた。


興味深いくだりは、この不正を明らかにしたキッカケになったのが商店主たちの苦情だったこと。

「27号計画」に最初に疑義を唱えたのは、郊外に大型SCができることで、空洞化に頭を悩ませる各地の商店街。代表する日本商工会議所日商)が2007年に入り、農林水産省に実態調査を求めた。*1日商は「なぜ農地に建つのか」と各地の事例を調べ、27号計画という共通点に気付いたという。

農地を守るはずの農水省が、農業振興を名目に農地転用にすすんで手を貸していたとは、誰も思いもよらなかっただろう。
神戸善久・明治学院大学教授が指摘していた「不正」とも関わってくるのだろうか?
それとも、市町村側が強弁するように農村振興の目的に適った政策と言えるのか?
ともかく、農地をめぐる闇は深そうだ。