横浜F・マリノスvs.サンフレッチェ広島


前半3分、期待の新人・渡辺千真がプロ初ゴールを決め、盛り上がるマリノス・サポ。
渡辺にとっても、マリノスにとっても最高の船出を予感させたのだが・・・


いよいよJリーグが開幕!
しかし、マリノスにとっては前途多難な船出となった・・・。


立ち上がりは、最高だった。
前半3分、右サイドを抜け出した清水がセンタリング。
狩野がヘッドで落としたところをマリノス期待の新人・渡辺千真が右足でシュート!
キーパーの手をかすめつつ、やや左にカーブした弾道は右ゴールポストに当たりながらも、見事ネットを揺らす!!
なんと、プロ初シュートが初ゴール!!!
いやはや、なんという強運の持ち主!マリノスは縁起のいい新人を獲得したもんだ!今年こそは、ホントに優勝争いできるんじゃないか!?
ところが、そんなバラ色の予感は、試合が進むにつれ色褪せ、失望へと変わっていく。


先制点を取られながらも、サンフレッチェの戦い方は実に自信に満ち、効果的だった。
最終ラインのストヤノフ、中盤の底に位置する青山・森崎和からは何度も前線に勝負パスを繰り出される。
右サイドでは今季加入したクロアチア出身の攻撃的MF・ミキッチがスピードとテクニックを兼ね備えたドリブルで、マリノス田中裕介との局地戦を制す。
一方のマリノスは、全体的なダイナミズムがない。
前線の動き出しが悪く、ボールが収まらない。
ポジションの流動性もなく、スペースも生まれず、攻撃が手詰まりになる。
昨季の悪かった所が、そのままじゃないか・・・。


次第に、前線からのプレスもかからなくなり、サンフレッチェにいいように縦への勝負パスを通され始めた。
そして、前半19分。
コーナーキックが流れたところをストヤノフがセンタリング。
ファーサイドで待ち構えていたDFの槙野がヘディング。
同点ゴールを決められてしまう。


嫌な流れは、さらに悪化。
前半24分、またしても縦パスを通され、左サイドからセンタリング。
中央で佐藤寿人が受け、落ち着いてシュート。
狙いすましたシュートがマリノスのゴールネットを揺らす。
あっという間の、逆転・・・。


さらに悪夢は続く。
前半38分、前線へのこぼれ球をミキッチが拾い、キーパーの榎本哲也と1対1。
哲也、大きく飛び出し対応するが、ゴール前にパスを送られ、最後は柏木にズドン!
おいおいおい!!いくらなんでも、あんまりじゃかいか!!!
この日を心待ちにしていたっていうのに、ここまで完膚なきまでにやられるとは・・・。


後半、反撃を期すべく、ボランチ長谷川アーリアジャスールを坂田に、小椋を山瀬に代えたマリノス
猛攻を仕掛けるも、後半7分にカウンターを食らい、ペナルティエリア手前でファウル。
ストヤノフにFKを決められ、4−1。
キーパーが一歩も動けないビューティフルゴールで完全に息の根を止められた・・・。


後半のマリノスは全体的に躍動感もあり、前半とは雲泥の差だった。
山瀬のドリブルも切れ味鋭く、何度かチャンスを作った。
後半24分には、右コーナーキックから栗原がヘディングシュートを決め、清水のミドルシュートがポストを叩きもした。
しかし、逆転できるほどの勢いは感じられなかった。
サンフレッチェは慌てることなく、試合をコントロールし、2点差で逃げ切った。


昨シーズン、リーグ3位の失点数を誇り、今年も守備は磐石と言われたマリノスがよもやの4失点。
もちろん、DF陣だけの責任では全くない。
特に前半、あれだけサンフレッチェから効果的な縦パスを通されたのは、前線+ボランチのプレスが全く効かなかったことが原因なのだろう。
しかし、リーグ屈指のDF陣を誇るチームがこれほどまでにボロボロにされるとは・・・。
この大敗が選手・チーム・サポーターに与えた衝撃は、でかい。
選手のモチベーションを重視しながらチームづくりをしてきた木村監督にとっては、いきなりの、しかも予想外の試練。
次節に向けて、どうチームを立て直せるか。
木村監督の手腕に希望を託す!!