『民主党はなぜ、頼りないのか』

民主党はなぜ、頼りないのか 不毛の二大政党制の根源を探る

民主党はなぜ、頼りないのか 不毛の二大政党制の根源を探る

民主党労働組合政党』

 民主党の大きな特徴の一つは、かつての社会党と同じく「労働組合政党」であるということだ。
そのため郵政民営化にも反対し、行財政改革公務員制度改革についても、表向きとは違い、実際は労働組合の顔色を窺うために消極的だ。
p.9

『名簿は選挙の必需品』

〈小泉前首相の秘書官・飯島勲氏が田村氏との対談の中で・・・。〉
 (2000年の総裁選挙の際、小泉陣営は)コンピューター打ち出しの300万人の党員名簿を、600万円の実費を出してまで購入しなかった。カネがもったいないからじゃなくてね。あえて買わなかった。そりゃ周りからは怒られましたよ。名簿は選挙の必需品ですからね。
p.28

民主党員のホンネ?!』

〈小泉前首相の秘書官・飯島勲氏が田村氏との対談の中で・・・。〉
 「民主党のなかには本当は自民党に行きたいんだけれども、やむを得ず民主党にいるという人が半数はいるんですよね。」
p.30

民主党内における国家観のバラつき』

民主党内の国家観のバラつきを示すバロメーターとして、田村氏は1999年の「国旗及び国歌法案」採決での民主党議員の投票行動を挙げている。
この法案に対する民主党議員の投票行動は次の通りだと言う。〉
衆議院での)賛成者(45名)は、安住敦、伊藤英成、石井一、上田清司岡田克也、奥田健、鹿野道彦、鍵田節哉、川内博史川端達夫、神田厚、北橋健治熊谷弘玄葉光一郎、木幡弘道、古賀一成、今田保典、佐藤敬夫、島聡、島津尚純城島正光仙谷由人田中慶秋、田中甲、高木義明玉置一弥樽床伸二中川正春中野寛成中山義活永井英慈羽田孜畑英次郎鳩山由紀夫平野博文藤田幸久藤村修古川元久、堀込征雄、前田武志松崎公昭松沢成文吉田治吉田公一渡辺周各氏。

衆議院での)反対者(46名)は、赤松広隆伊藤忠治、家西悟、池田元久、池端清一、石毛エイ(金へんに英)子、石橋大吉岩國哲人、岩田順介、上原康助生方幸夫枝野幸男小沢鋭仁大畠章宏海江田万里金田誠一河村たかし菅直人北村哲男桑原豊小平忠正、小林守、五島正規近藤昭一佐々木秀典佐藤謙一郎坂上富男末松義規、辻一彦、土肥隆一中桐伸五中沢健次、葉山峻、針呂吉雄、原口一博、日野市朗、肥田美代子、福岡宗也、細川律夫前原誠司松本龍、山元勉、山本譲司山本孝史横路孝弘各氏。

衆議院での)欠席者は、石井紘基氏一名。

参議院での)賛成者(20名)は、足立良平、浅尾慶一郎、石田美栄、今泉昭、海野徹江本孟紀北澤俊美、小林元、小山峰男佐藤雄平寺崎昭久直嶋正行長谷川清平田健二広中和歌子、本田良一、松田岩夫、柳田稔吉田之久和田洋子各誌。

参議院での)反対者(31名)は、朝日俊弘、伊藤基隆、今井澄、江田五月小川勝也小川敏夫岡崎トミ子、川橋幸子、久保亘、郡司彰小宮山洋子輿石東、佐藤泰介、齋藤勁、櫻井充、笹野貞子、高嶋良充、竹村泰子谷林正昭千葉景子角田義一福山哲郎、堀利和、前川忠夫、松崎俊久、円より子峰崎直樹本岡昭次簗瀬進、山下八洲夫、藁科滿治各氏。

参議院での)棄権者は、勝木健司、木俣佳丈内藤正光、藤井俊男、松前達郎各氏の5名。
p.40-41

『党内部からの背信行為』

 (2006年)10月14日、日本李登輝友の会などが主催する「日台時局問題講演会」で講師を務めた民主党参議院議員大江康弘氏も小沢氏や民主党を大批判。
「台湾の声」というメールマガジン(2006年10月19日)に、その公演内容が記録されており、
「大江参議院議員はは自身が所属する民主党への不信感を隠さない。党首就任間もない小沢一郎氏については、政策が社民、共産と変わらないと手厳しく批判。民主党はバラバラでまとまりがなく、チャンスが到来してもそれを生かすどころか自らピンチへと変える。
民主党には政権を任せられない、この党が政権をとったら一週間で日本は終わりである、昨年の衆議院選挙では民主党は大敗したが、国民は見事に正しい判断をした、戦後60年を経て日本国民も成長を遂げた、など民主党批判を繰り返し、『本当は私も民主党を辞めたいんですよ!』と述べたときには会場から笑いと拍手が沸き起こった」とある。
p.152

労働組合政党=民主党行政改革はできない』

 (民主党は)一応、口先では「行政改革」と叫びますが、実態は、官公労、つまり公務員の労働組合が支援組織ですから、それはできません。郵政民営化でもなかなか反論できなかったのは、全逓が「郵政民営化反対だ」って言っていたからです。「労働組合ドップリ」なんですね。
かつては「労組依存体質は問題だ」と反発した松沢成文さん。今、神奈川県知事です。松沢さんたちは、「労組出身候補者は(参議院議員選挙の)比例区で公認すべきではない」と当時の代表の鳩山さんに申し入れをしたくらいです。
p.178-179

岡田克也の父はイオングループの名誉会長』

 2004年6月8日の記者会見で、岡田さんは、旧通産省に勤務していた1979年7月から86年4月までの間、国家公務員法の兼職禁止規定に反し、両親が設立した不動産会社「岡田興産」の取締役(無報酬)に就任していたことを公表し、陳謝しました。
これはなにが問題かと言いますと、岡田さんのお父さんは、大手スーパーのジャスコなどを経営するイオングループの名誉会長なんですね。
当時、ジャスコの全国展開を推進した岡田興産と通産省の関係で、通産官僚の岡田さんが何らかの便宜を図ったのではないかという疑惑ですよ。報酬を「もらった、もらっていない」が問題じゃないんですよね。
兼職していること自体がクレイジーなんですよ。考えられないですよ。
p.181