「WEB民主主義」考
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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- 作者: ジェームズ・スロウィッキー,小高尚子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: 文庫
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・・・「適切な状況の下では、人々の集団こそが、世の中で最も優れた個人よりも優れた判断を下すことがある」というテーマを追求した刺激的な本である。
〈中略〉
・・・「個」が十分に分散していて、しかも多様性と独立性が担保されているとき、そんな無数の「個」の意見を集約するシステムがうまくできれば、集団としての価値判断のほうが正しくなる可能性がある。そのとき、多様な意見の存在を意識的に肯定すべきで、参加者間のコミュニケーションはほどほどの情報交換程度がよく、議論しすぎることで他者の影響、特に特定個人の強い影響を受けないほうがいい。『ウェブ進化論』p.205-206
★勝手に抜書きしておいて失礼だが、梅田氏のようなWEBに対する楽観主義者が主流派になりつつあるからこそ、一方で『〈私〉時代のデモクラシー』のような本もよく売れているんだろうな・・・。
- 作者: 宇野重規
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: 新書
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デモクラシーは万能ではありません。デモクラシーが出す答えがつねに正しいとは限らないという批判は、ほとんどデモクラシーが誕生して以来、たえず投げかけられてきたものです。しかしながら、本書では、あえて主張したいと思います。デモクラシーは「正しい答え」が見つからないからこそ必要なのだ、と。
p.xi
★たとえ、機械的に『無数の「個」の意見を集約するシステム』を構築したとしても、結果として必ずしも『集団としての価値判断のほうが正しくなる可能性がある』わけではないのではないか。むしろ、『デモクラシーは「正しい答え」が見つからないからこそ必要なのだ」とする宇野氏の意見に私は賛成する。