伊勢式年遷宮

  • 伊勢神宮は約2000年前に現在地にまつられたといわれ、20年に一度、全く同じ殿舎を隣接地に建立する遷宮を行う。
  • 建て替えに要するヒノキは約1万本。宮域林からの供給は鎌倉中期に不可能となり、紀伊半島、愛知県三河地方と求められた後、現在は長野県木曾地方の国有林から購入している。
  • 大正時代、地元の五十鈴川がはんらんを起こしたのをきっかけに、宮域林での御用材の自給のため、1923年、神宮司庁に東京帝国大学農学部本多静六教授ら学識者が集められた。
  • 特命委員会はヒノキと広葉樹の混交林を作ることや、多様な鳥類、昆虫の生息が巨木育成につながることを掲げ、数百年後を視野に植林計画を策定した。その結果、2013年の第62回式年遷宮では75haにわたりヒノキを生育し、約700年ぶりに全体の約2割を宮域林から供給できる見通しとなった。
  • 遷宮の際の旧材は全国の神社の用材に提供されるほか、最も大きい「棟持柱」は宇治橋の鳥居となり、さらに20年後、桑名市の七里の渡し、亀山市の関の鳥居へと引き継がれる。

東京新聞08/01/03