政府によるテレビ支配

4/28(土)付の東京新聞に、「総務省がTBSに厳重注意、テレビ東京に口頭注意した」との非常に小さなベタ記事が掲載された。
TBSは『サンデー・ジャポン』において柳沢厚生労働大臣の発言を不適切に編集し放送したことなど、三件の情報番組で放送法に違反したとして、テレビ東京は健康番組での映像の偽装があったとしての措置だという。

またしても、テレビの不祥事。国が強権発動して指導するのも止むを得ない。
テレビ局は国の許認可事業なのだから・・・。
こうした意見が大勢だとは思うが、よくよく考えると、これはとても異常なことなのではないか。

例えば、こう考えてみると分かりやすい。
もしも、許認可制ではないメディア全て、例えば新聞、雑誌、またはこうした個人が自由勝手に開設したblogなどの内容に対しても、政府が強権をちらつかせつつ指導することが当然だとしたら・・・。
こんな窮屈なことはない。
言論の自由」「表現の自由」の侵害に他ならないのだから。

国によるの許認可事業ゆえに、テレビ局は国から監督指導されて当然。
それはつまり、テレビ局には「言論の自由」「表現の自由」は無くても仕方がない、ということと同じ意味なのではないだろうか。

東京新聞の記事は非常に小さかった。
監督官庁が監督すべき企業に対して、ごく当たり前の指導をしたというだけの情報でしかなかった。
しかし、この事件の本質は、自由な言論に対する政府による示威行動なのではないだろうか。