平安京・大阪城・伏見城を作った森

Ref:旅の手帖2008年8月号

京都市の片波川源流域の森。
古くから「御杣御料」という天皇の領地であった。
杣人がこの森から杉材を伐り出し、京の都へ送り、平安京造営の建築材として使われた。
安土・桃山時代には大阪城伏見城の築城に、ここの杉が伐採され、筏を組んで桂川を下った。
この森には、「伏状台杉」と呼ばれる巨樹群がある。
「伏状台杉」とは、伐採した杉から新たに伸びた幹を繰り返し伐ったことで、基幹部分が肥大化し台状になったもの。
持続可能な形で森と人とが関係を結び続けた証しでもある。
この森で一番大きな杉は「平安杉」と呼ばれるもので、幹周り15.2m、推定樹齢800〜1000年。
この森は、京都府自然環境保全地域に指定されている。

アクセス:
京都駅烏丸口からJRバス高雄。京北線周山行き1時間20分の周山下車。
周山(ウッディー京北)から伏状台杉群まで約20km。