映画「セプテンバー・テープ」

 9・11から一年後のアフガニスタンで撮影された異色作品。危険な撮影を敢行したクリスチャン・ジョンストン監督もまた、「米国は病んでいる。ニュースで流れる映像は表面的で、知りたいことを伝えていない。本当の姿をとらえたかった」と狙いを語る。
 ビンラディンと敵対する北部同盟接触した取材テープが見つかったという設定のフィクション。だが、登場する武器証人、報奨金ハンター、銃、ミサイルなどは本物だ。
 現地では、夜間外出の際、銃口を突きつけられる経験もしたという。
 核心に迫った映像は米国政府を刺激したのだろう。二十七時間に及ぶ撮影テープは、国防総省の検閲を受け、イスラム戦士が戦争計画や戦術について語ったという八時間分のテープは、今も返却されてないという。
東京新聞2006/09/22 15面