『ぐるりのこと。』、『闇の子供たち』
横浜・ジャック&シネマにて。
「闇の子供たち」との同時上映だったのだが、見終わってみて、「なんでこの2作品が同時上映?」と正直思った。
しかし、どちらも良い映画だったので、その件は特に問題なし!
さて、当初の目的は「闇の子供たち」だったのだが、「ぐるりのこと。」の方が心に残った。
リリー・フランキー、木村多江の両主役は見事にはまっていたし、脇を固めるキャストもある意味で豪華絢爛!
倍賞美津子、寺島進、柄本明、寺田農、八嶋智人、斉藤洋介、温水洋一、光石研、加瀬亮、木村祐一、横山めぐみ、田辺誠一、片岡礼子、峯村リエ、安藤玉恵・・・と、キラ星のごとく性格俳優が並ぶ。
序盤から細かい笑いを散りばめながら進み、ほんわかとしたコメディ映画なのかなと思わせながら、突然、なんの前触れもなく悲しみのどん底に突き落とされる主人公。
ホント、観ている方も叩きつけられるような展開に唸らされる。
その直前のシーンの最後にリリー・フランキーが言う台詞「自分、幸せなんか?」が、むちゃくちゃ効いてます!
リリー・フランキーの職業が法廷画家っていうのもナイスな設定だったし、そもそも時代設定が1990年代っていうのも面白い。
この2つの設定には橋口亮輔監督のモチーフが隠されているのだが、それについて興味を持った方はパンフレットの中の監督インタビューを読んでいただくとして、この監督インタビューで個人的に興味深かったことは、「(橋口監督が)『ハッシュ!』の後、うつになって1年間仕事を休んでいた」ということと「僕は自主映画の時から出演者のドキュメンタリーを撮るつもりで(劇映画を)やってきていて、・・・」という部分だ。
最後に、鑑賞中の雑感をひとつ。
「絵を描くって、いいなぁ」=描いている間、観ている対象と同じ時間を共有できるってことだから。
ところで、もう一本の「闇の子供たち」について。
〝篤姫〟宮崎あおいがどんな演技してるのかに興味があって観に行ったのだが、正直期待はずれだった。
しかし、内容は想像以上に重い。衝撃的な現実だ。原作も読むべし!
それにしても、エンディング曲が桑田佳祐だったのには、ちょっとしらけた。
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